この記事では、現代を描いた風刺画を紹介します。
スマホ社会や現代社会の歪みについて、世界的に有名な風刺画家が描いた作品をご覧ください。
考えさせられる作品ばかりです。
Banksy(バンクシー)
Banksy(バンクシー)はイギリスを拠点に活動する素性不明のアーティストです。
ステンシルアートと呼ばれる、型紙を用いたグラフィティを中心として活動しており、街中の壁などに反資本主義や反権力などの政治色が強いグラフィティを残したり、美術館や博物館などの館内に無許可で作品を陳列するなどのパフォーマンスによって「芸術テロリスト」と称されることもあります。
Armored Dove of Peace(鎧をまとった平和の鳩)
バンクシーが2007年にパレスチナ自治区・ベツレヘムにある壁に描いたもので、パレスチナとイスラエルの紛争を批判する政治的メッセージが込められています。
平和の象徴である鳩がくわえているのは、同じく平和を象徴するオリーブの枝です。
しかし、鳩は装甲ベストを着ており、その胸には照準が定められています。
平和と戦争という両極端なイメージを描くことで、戦争に対する批判を痛烈に表現しています。
この絵はパレスチナとイスラエルを隔てるために建設されたヨルダン川西岸の壁に描かれており、Googleストリートビューでも見ることができます。
Love Is In The Air(愛は空中に)
覆面姿の少年が火炎瓶の代わりに花束を投げつけようとしています。
この絵は別名”The Flower Thrower” “Flower Bomber”とも呼ばれ、戦争・暴力やテロへの強い批判が込められており、バンクシーの代表作として知られています。
この絵はパレスチナのヨルダン川西岸地区(ベツレヘム県)のアッシュ・サロン・ストリート沿いの建物に現在も描かれたままの状態になっており、ストリートビューにてその姿を確認することができます。
Flying Balloon Girl
こちらの絵もパレスチナのヨルダン川西岸地区にある壁に描かれたバンクシーの代表作の一つです。
パレスチナ人の移動の自由を求める運動に共感するものとして捉えられています。
John Holcroft(ジョン・ホロクラフト)
イギリスのイラストレーターであるJohn Holcroft(ジョン・ホロクラフト)は、1996年から活動を開始しました。
フィナンシャルタイムズ・ガーディアン・エコノミストといった著名な雑誌の表紙を描いたり、Facebookにも定期的に投稿を続けるなど、精力的に活動しています。
The cost of smoking(タバコ代)
タバコはお金がかかりますね。
吸えば吸うほどお金がこぼれていきます。
Addictive ‘likes’(いいね中毒)
ビンに書かれているのは、
“Facebook Likes for chronic low self esteem”
Facebookのいいね(慢性的な自己肯定感の低い人用)
Dispensable people(使い捨て労働力)
ソーシャルワーカーが使い捨て労働力として扱われる時代に。
Happy Kit
「HAPPINESS KIT(幸せキット)」と書かれた箱の中に、プラモデルのような部品がギッシリ詰まっています。
これらの部品を全て組み立てれば幸せになれるようです。
でも、中身はスマホやゲームといった物質的なものばかり。
果たして、目に見えるものだけで幸せになれるのでしょうか…?
Gender Basketball
男女がバスケットボールをしています。
よく見ると、ゴールが男女を表すマーク(「♂」と「♀」)になっていますね。
男性に比べて女性のゴールは高い位置にあり、とても届きそうにはありません。
性差による女性の暮らしにくさを表現しています。
Igor Morski(イゴール・モルスキー)
Igor Morski(イゴール・モルスキー)はポーランドのグラフィックデザイナーです。
環境問題や監視社会を風刺した数多くのイラストを発表していますが、彼自身が描いた絵について語ることは少なく、読者に評価を委ねるスタンスを取っています。
当記事でも多くを語ることはしないので、皆さんご自身で感じてみてください。
燃やされる地球
地球の下で薪をくべている人がいます。
つまり、地球は燃えているのではなく「燃やされている」と考えるべきでしょう。
寄生スマホ
ホラー映画のワンシーンのようです。
便利なアイテムであるはずのスマホが、人を傷付ける存在になっている…?
No Title
ボートを漕いでいるのは女性ひとり。
一方、水面には男性が映っています。
母親と父親は方向性の違いから離別してしまったのでしょうか。
それとも、父親が死んでもなお家族を支えている様子を描いているのでしょうか。
正解は示されていません。
持続可能社会?
立派な建物が建っていますが、土台となる人間は中身がスカスカになっています。
枠にはめられた子供
たくさんのおもちゃを与えられた子供。
しかし、体の周りには金属でできたような枠組みがあり、枠からはみ出ることは難しそうです。
脳
渋滞しないようにしたいものです。
Al Margen(アル・マーゲン)
Al Margen(アル・マーゲン)はアルゼンチンのブエノスアイレス出身のイラストレーターです。
ダークな色合いで現代社会を風刺した絵を描くことで知られています。
いいね常習者
鼻から吸おうとしているのは…「いいね」?
強制される子供
習い事や勉強を押し付けられる子供。
充電
これで疲れが取れるのでしょうか?
万能薬?
左は「一時停止」でマンネリ状態。
中央は「早送り」で常に先のことを考えがちだから今を楽しめない。
右は「巻き戻し」で過去に囚われている。
3人とも口がないので薬を飲めず、今の状態を受け入れるしかない。
Steve Cutts(スティーブ・カッツ)
Steve Cutts(スティーブ・カッツ)はイギリスを拠点とするイラストレーターであり、風刺画の他に2Dアニメーションを得意とするアニメーターでもあります。
現代風の絵に強烈な風刺を込めることで知られています。
スマホゾンビ
ゾンビになって思考力がなくなっても、画面を見ることはできる。
ラッシュアワー
乗客はネズミ、行先は「NOWHERE(どこにも行けない)」。
全部捕まえなきゃ
ポケモンGOを使ってスマホ社会を風刺したイラスト。
飽食
完全にソファと同化しています。
飽食その2
人間の飽食は、たくさんの動物の犠牲の上に成り立っています。
所有の連鎖
知らず知らずのうちに、人間の首にもスマホという名の鎖が巻かれています。
ハッピーアースデー!
ケーキに見立てた地球。
Jean Jullien(ジャン・ジュリアン)
Jean Jullien(ジャン・ジュリアン)はフランスのグラフィックデザイナー兼イラストレーターです。
スマホやSNSに依存する社会を巧みに切り取った風刺画で有名です。
疎外感
自分だけ画面を見ていないと、逆に不安になる。
早く食べよう
いつまで撮ってるの?
ひとりじゃない
暗いと寝られない。
日焼け
ずっと電話してるから…
Pawel Kuczynski(パウエル・クジンスキー)
Pawel Kuczynski(パウエル・クジンスキー)はポーランド出身の政治風刺画家です。
Control
手綱を握るのはピカチュウ。
Perfect Garden
「出る杭は打たれる」。
Time to rest
wifiによって家族がつながる。
入れ歯と共に
入れ歯と共に、「いいね」も夜は休ませましょう。
無人島
スマホの上、無人島で一人ぼっち。
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