風刺画を英語で言うと”caricature”? それとも “political cartoon”?意味するものは何?

風刺画_英語

「風刺画」って英語では何と言うのでしょうか?

調べてみると、「風刺画」は意外に分類が多く、英訳しようとすると複数の候補があることがわかりました。

この記事では、風刺画の英訳と、その単語の由来や意味についてまとめています。

細かく見ていきましょう。

目次

風刺画の種類によって英訳は変わる

ひとえに風刺画と言ってもいくつかの種類があります。

今回は風刺画の種類によって、その英語訳がどのように変わるか調査しました。

人物を主体として描いた風刺画の場合:「caricature」

風刺画_英語

まず、人物を主体として描かれた風刺画は英語で「Caricature(カリカチュア)」と呼ばれます

上に挙げた画像は1878年に描かれたダーウィンの進化論を揶揄する”カリカチュア”ですね。

「カリカチュア」という言葉を初めて用いたのは、16世紀後半に活躍したイタリア人の画家アンニーバレ・カラッチ(1560 – 1609)とその画派であるボローニャ派の画家たちであったとされています。

風刺画_英語2
カラッチ作とされるカリカチュア(16世紀ごろ)

カリカチュアの語源となったのは、イタリア語で「誇張する」を意味する”caricare”です。

また、17世紀の美術史家フィリッポ・バルディヌッチは、『絵画用語事典』(1681年)の中で「カリカチュア」を以下のように定義しています。

「それはモデルの全体像の可能なかぎりの類似を目ざしたもので、冗談ないしは嘲笑を目的としてその人物のもつ欠点を故意に強調し、容貌の諸要素がすべて変形されているにもかかわらず、全体としてはその肖像がまさにモデルそのものであるように描かれた肖像画を指す」(引用元:Wikipedia

社会や政治の風刺を目的とした風刺画の場合:「political cartoon

風刺画_ビゴー

人物が描かれた風刺画であっても、その主眼が社会や政治風刺に向けられたものである場合、特に「Political Cartoon(またはEditorial Cartoon)」と呼ばれます

「Editorial Cartoon」 は新聞や雑誌などの社説やコラムとともに掲載されることが多く、1コマ・4コマといったように比較的短い作品が中心となっています。

また、Cartoon(カートゥーン)という単語自体が「風刺画」的な意味合いを持つこともあり、厳密に使い分けるのは難しいという意見もあるようです。

主に現代社会を風刺した風刺画の場合:「satirical illustration」

「satirical」という英単語は、そのまま「風刺的な」という意味を持ちます。

satirical illustrationを直訳すれば「風刺イラスト」となり、これは主に現代社会の問題点や歪みを表現した風刺画を英訳する場合に使われることが多い単語です。

satirical illustration

上記はsatirical illustrationをGoogle画像検索した際の結果です。

数多くの現代風刺画が表示されていることがわかるかと思います。

まとめ

ひとえに風刺画と言っても、それが人物を風刺するものなのか、歴史の出来事を風刺するものなのか、現代社会を風刺するものなのか。

その中身によって英語訳も変わるということがわかりました。

一般的には風刺画の英訳として「caricature」が使われることが多いですが、漫画やイラストだって風刺画になり得ますし、英語訳もたくさん存在するというのは理にかなっていますよね。

現代を描いた風刺画に関して下記記事に細かくまとめています。

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